急速沈降分離装置 Sセトル
S-セトルは「間しょう凝結作用」「壁面張力作用」など自然の原理を応用した動力を使用しない高性能の急速沈降分離装置です。
従来の沈降方式やクラリファイア (清澄器)に比べ、 よりコンパクトで、凝集・分離の速度が速く、能率的な構造です。
濃縮汚泥処理は、濃縮汚泥槽から本体下部に設置する汚泥 (モノ) ポンプと脱水設備へ直結した運転 (タイマー設定による) が可能です。
また、汚泥界面の下限センサー(オプション:FSP-20L)等によりタイマー自動運転も可能です。
動力は使用しておらず、本体に駆動レーキもないため、急速沈降分離装置 Sセトルの機構は故障が少なく、安定した運用を連続で行う事ができます。
排水処理プラントの一貫として使用でき、改善装置として既設の設備に容易に組み込めます。
設置場所のスペースを確保しやすく、現地へは本体完成品を輸送し、レッカーで吊下しになりますので、現地工事が速くて容易です。
急速沈降分離装置 S-セトルの構造とはたらき
急速沈降分離装置Sセトルは、2つの円錐体を底面部で互いに接合した容体です。(右図参照)
上部円錐体の内側には、液体通路となる一定のすき間をおいて一枚の円錐状をした分離板が外側に沿って内装しています。
容体の上部には、切線方向に給液口があり、ここから給液された原水は、混合凝集槽によって均質化され、溢流板を越えて円錐状の分離板の間を断面変化に沿って流下します。
この表面積は液の沈降にしたがって広くなりますから、液中のSS又は凝集フロックの捕捉効果は、 「間しょう凝結作用」により、液が流下するに従い高まります。
互いのSS粒子が結合しながら成長して分離板放出口に近づきますので、沈降速度がいっそう高まるのが特長です。
中心部においては、上澄水と分離していくSS汚泥は、壁面張力作用によって下部壁面に沿って落下し、濃縮槽に集まり排出口から排出されます。
一方、SSを分離した上澄水は容体の中心部をゆっくり上昇して、上部流出口から流出します。
分離板上は汚れ・詰まりにくく、汚泥濃縮槽は閉塞しにくい構造が大きな特長です。
急速沈降分離装置 S-セトルの用途
- 無機性/有機性廃水における広範囲な前処理及び、最終処理設備等にご使用いただけます。
- 沈降特性のある全ての廃水に適用しますので、各排水処理の前処理または後処理に適用が可能です。
- 薬注と原水連動による凝集反応しながらの排水処理に最適で、高い処理能力を発揮します。
- 無薬注処理を目的とする排水処理設備にも適します。
- 液質に応じてFRPライニング等の対応をします。
- その他、用途に応じた特殊セトルの設計・製作もいたします。
急速沈降分離装置 S-セトルの標準仕様
型式 | 処理能力 | 容量 | 本体自重 |
---|---|---|---|
S-1000 | 1.0~2.5m3/h | 0.5m3 | 300kg |
S-1500 | 2.5~5.0m3/h | 1.7m3 | 620kg |
S-2000 | 5.0~10.0m3/h | 4.0m3 | 1250kg |
S-2500 | 7.0~16.0m3/h | 8.5m3 | 1850kg |
S-3000 | 14.0~28.0m3/h | 15.0m3 | 2450kg |
S-3500 | 20.0~50.0m3/h | 24.0m3 | 4000kg |
※処理能力は原水質及び処理水質の用途・目的によって異なります。
※本機の仕様ならびに装置の構造等は改良のため、変更する場合があります。
※上記機種の他にS-1200、S-3250も可能です。
※内面FRPライニングも可能です。
※計量マス~各薬注反応槽はお打ち合わせにより設計となります。
※上部は開放が基準ですが、各蓋取付はお打合せによります。